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2019 年度 実施状況報告書

日本におけるエスニックヒエラルキー形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K23254
研究機関立教大学

研究代表者

五十嵐 彰  立教大学, 社会情報教育研究センター, 助教 (90844762)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードエスニックヒエラルキー / 移民
研究実績の概要

本研究は日本におけるエスニックヒエラルキーの形成過程を解明するために行う。エスニックヒエラルキーとは外国人に対する好意の序列であり、例えば日本ではアメリカ人に対する好意が最も高く、中国人に対する好意が最も低いといった具合のものである。本研究はではこのヒエラルキーがなぜ形成されるかを示すことを目的としている。本年度では、まずエスニックヒエラルキーが共有されていることを複数のデータを使って実証した。自身の過去の研究においてこのヒエラルキーが日本人の間で共有されていることを示した(五十嵐 2015)が、この研究は2008年のデータを使ったものであり、現在の状態を確認する必要があった。本年は、まず2017年に研究グループで収集した全国調査をもとに、外国人に対する好意の序列をMokken scale分析という手法で分析した結果、好意の序列が過去のデータと同様アメリカ人を最も好意的に、中国人を最も非好意的に見るヒエラルキーが未だに保持されており、それが日本人の間で共有されていることを示した。さらにこのヒエラルキーには個人差がないことも同時に示した。次に、これらのヒエラルキーがなぜ形成されるかを考えるため、コンジョイント分析という実験手法を行って調査を行う準備をした。外国人の属性(出生地、国籍、エスニックグループなど)のうち、どの要素がアメリカ人/中国人であれば好意をもたれるかを分析することを目的としているが、この属性について先行研究をもとに選択し、実験用の画面を作成し、実験を実施する手筈を整えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究はエスニックヒエラルキーの形成がいかに行われるかという課題について、実験を通して分析することを目的としている。目的達成のためには、作成を完了した実験画面を実験参加者に配布することが必要になるが、現在は実験画面を作成する段階まで終了している。また実験の倫理審査も終えており、残りの作業としては回答者に実験画面を配布することだけとなっている。

今後の研究の推進方策

コロナウイルス感染拡大の影響で、現在はいわゆる通常の環境とは異なっているため、ある程度落ち着いた段階で実験を行う予定である。今後は、現在までに作成した実験画面を配布し、回答を回収した後分析を行い、結果を論文としてまとめる予定である。これに加えて、分析の結果を見た上で、新たに追加の実験を行う可能性がある。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染拡大下で時期を見ており、実験実施を後ろ倒しにしたため差額が生じている。生じた差額は次年度解消する予定である。具体的には、本年度に行う予定だったWebモニターに対する実験を行うために使用する。加えて、追加実験の必要性が生じた場合はさらなる実験を行うために助成金を使用する。これらの実験研究から得られた成果は、国内外の学会にて発表する。更に研究成果をまとめるため、資料の購入や英文校正に助成金を用いる。

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公開日: 2021-01-27  

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