本研究は採用担当者を対象にした実験としては日本初であり、今までうやむやであった差別の実態を初めて明らかにしたものである。加えて、誰の態度に基づいて差別が起こっているかを明らかにした点も社会的に意義がある。すなわち、採用担当者個人の差別的態度に基づいて行われ、社会的な態度(例えば、顧客や同僚の態度)に基づいていないことが明らかになり、特にエスニックヒエラルキー中のポジションが低い外国人ほどのその傾向が顕著である。これはつまり、社会全体の態度が好意的になったとしても雇用担当者の態度次第では差別的な雇用が残存してしまうことを意味する。
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