統一以前の東独における女性労働に国家がどのように影響を与えたのかについて分析を行い、国家の強力な主導によって極めて短期間に女性の労働市場への参入が高程度に進んだこと、その一方で政治的自由の欠落などから性別役割分業は変化せず、いびつな形での女性の社会進出が進んだという帰結をもたらしたことが明らかとなった。また、欧州旧社会主義国における男女間賃金格差についての研究ではメタ分析による統合・比較を行うことにより①体制移行期を通じた欧州新興市場における男女賃金格差水準の推定②男女賃金格差水準のEU加盟国と非加盟国の差異③男女賃金格差の長期的趨勢の3点を明らかにした。
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