本研究では、日本と台湾の遺伝学的検査に対する認識の差を育児書を分析することで明らかにすることを目的に実施した。結果、台湾の育児書では、遺伝学的検査(出生前診断や保因者診断)を積極的に受けるべきであると述べられ、高齢出産はリスクが高く、高齢出産となる場合は検査を受けることが推奨された。一方、日本の育児書では遺伝学的検査を受けることは個人の判断であり、デメリットもあることが述べられ、積極的に検査を受けることは推奨されていなかった。このように、台湾では、「健康」な子どもを産むべきと考えられ、日本では子どもに関する選択は個人にゆだねられていることが明らかとなった。
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