本研究の目的は、〈平和都市〉広島がいかに生成され、またどのようにその都市理念と建造環境が絡み合いながら都市的動体を描き出してきたかを明らかにすることである。そのうえで、都市理論とフィールド分析の相互連関を意識しながら、本研究は次のような作業をすすめてきた。(1)近現代広島をめぐる都市的検討を実施するための理論的枠組みの彫琢――ポストコロニアル都市理論の導入。(2)「大広島」のスローガンを軸とした1920年代から1950年代に至る広島の都市運動ならびにメディアイベントの検討。(3)都市理論と事例検討を重ね合わせるかたちでの最終的なアウトプットの作成。
|