研究課題/領域番号 |
19K23268
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
元橋 利恵 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (50846748)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 母性 / 政治参加 / ケアの倫理 / フェミニズム |
研究実績の概要 |
2020年度は、covid-19の感染拡大の影響により、当初予定していたケア労働者および母親へのインタビュー調査を中止を余儀なくされた。だが、今年度は母親研究における理論の整理検討を行い、単著『母性の抑圧と抵抗――ケアの倫理を通して考える戦略的母性主義』(晃洋書房)を2021年2月に出版した。本書は、これまでの研究成果をふまえ、さらに、本研究の課題でもある母親の政治参加についての議論を反映させた内容となっている。 また、2020年10月には、オンラインで開催された母親のアクティビズムに関する学会であるInternational association of maternal action and scholarship(IAMAS)で報告した(報告タイトル““A Mother’s Political Activism Resists “Patriarchal” Neoliberalism in Japan: Considered through the Movement “Mothers Against War”)。当学会は、2019年に立ち上げられた新しい学会であり、コロナ禍では母親たちの直面する問題など、今現在の母親たちが直面する問題に取り組む実践をそなえたアソシエーションである。アジアからの参加者は私たち以外にはおらず、日本の事例や状況を紹介することで学会にも重要な貢献を果たしたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ・ウィルス感染拡大の影響により、当初予定していたケア労働者、母親へのインタビュー調査は今年度は中止を余儀なくされた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では、インフォーマントの負担を配慮しつつインタビュー調査を試みる。一方で、文献調査の範囲を広げることで課題をカバーしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度コロナウィルス感染拡大の影響により、予定していた国際学会の際の渡航が不可能となった。また、調査計画に変更が生じたため、予定していた人件費や旅費も残ることとなった。この分は次年度に延長し、引き続き調査を試みる。
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