研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、日本における母親業を担う女性たちのインタビュー調査を通して、既存の政治参加のモデルでは参画から遠ざけられるケアする人の政治参加の困難と可能性を明らかにしている。本研究では、ケアする人がケアしケアされるためのニーズを語り、聞き届けられることが可能な「政治的ケア」やケアする人を対象にした支援の枠組みが社会的条件として必要であることを立論した。
社会学、ジェンダー論
近年、ケアの倫理に根差した議論が注目され、ケアの営みの重要性が認知されつつありますが、ケアを担う人、特に母親業のような私的かつ家庭内でおこなわれるがゆえに見えないケアを担う人がいかに政治参加していくのかについては議論が不充分でした。本研究では、ケアに根差した政治、社会を構想するために重要な、ケアする人が政治参加にいかなる困難を抱えているのかを母親業を担う人の運動や日々の経験の語りから考察し、私たちのもつ政治観そのものの変化の必要と、ケアする人の声が聞き届けられる支援体制の必要性を論じました。