研究課題
本研究は、2014年3月に台湾で起きた「ひまわり運動」、および9月に香港で起きた「雨傘運動」を調査することを通して、現代社会運動の担い手である若者、なかでも特に女性参加者はいかに自分自身の日常的趣味を用いて社会運動について語り続けているか、さらにその語りを通して、社会運動に意味を付与しているかついて考察することである。令和4年(最終年度)に実施した本研究の成果について以下のように概要を説明する。(研究成果の一部は、若手研究課題番号「20K13706」と共同実施するものである)1.以下の日本国内学会で発表した:『アジアの政治運動とサブカルチャー実践 問題提起①(ネットワーク社会研究部会ワークショップ)』(日本メディア学会 2022年春季大会)、『東アジアの政治運動とサブカルチャー実践』(日本大学Web研究発表会)。2.以下の日本国内学術書に寄稿した:『台湾社会運動の場における「アイドル」文化現象』(『アイドル・スタディーズ――研究のための視点、問い、方法』194-206ページ)。また、最終年度に実施した研究の成果に加え、研究期間全体を通じて研究者は、4本の査読論文、3本の学術書籍への寄稿、12本の学会発表を行い、以下の研究成果を示した。(1)社会運動に参加している台湾や香港の若者、中でも女性は社会運動空間において、文字、二次創作、言説を通して「語り合い」 を行い、それを通して情動を生成し、社会運動に意味を付与した。この考察から、さらに、(2)社会運動参加者は、サブカルチャー実践を通して、社会運動に「遊戯性」を付与し、戦術的に周縁から「対抗」を行った。
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