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2019 年度 実施状況報告書

ジャガイモの機能性増強と安全性向上を両立する前処理条件の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23282
研究機関静岡県農林技術研究所

研究代表者

小杉 徹  静岡県農林技術研究所, 静岡県農林技術研究所, 科長 (60426468)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードジャガイモ / GABA / アクリルアミド / 低温スチーマ / 品種・系統 / GAD / 還元糖 / グルタミン酸
研究実績の概要

本研究は、ジャガイモのGABA増加と調理時に生成する発がん性物質アクリルアミド(AA)含量の低減を両立するジャガイモの前処理条件を解明し、生活習慣病予防に繋がるGABAを強化した新しい食品素材開発を展開するため、以下を目的とするものである。
細目1:ジャガイモの在来種および一般品種のGABA、アミノ酸、グルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)、還元糖の関係性の解明、細目2:ジャガイモのGABA含量が増加しAA原因物質が低減する前処理条件の解明、細目3:GABA含量の増加とAA含量の低減が両立する素材の開発
細目1では、5種の品種・系統について、HPLC等を用いて、GABA、関連アミノ酸、還元糖、GAD活性を定量した。結果、GABAは、在来種の赤じゃがたで多く、ついで在来種のオランドで多かった。GABA前駆物質であるグルタミン酸はオランドで多かった。アクリルアミドの原因物質とされる還元糖は、赤じゃがた、オランドで、アスパラギンはオランド、メークインで少なかった。GAD活性は、オランドで高かった。
細目2では、ジャガイモ男爵を低温スチーマにより、好気および嫌気処理下で、温度(45~70℃)と時間(5~30分)を変化させて処理し、GABAと関連アミノ酸、還元糖を細目1と同様に定量化した。結果、好気処理下では、55℃・5分処理、55℃・20分処理、55℃・30分処理で、GABAが増加した。また嫌気処理下では、55℃・20分処理、60℃・10分処理、70℃・20分処理で、GABAが増加した。またグルタミン酸の減少は、嫌気下のほとんどの処理で認められた。このことから、GAD活性が高まり、GABAの合成が促進されたと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

現在、細目1のGADのmRNA発現量の測定を検討しているが、それ以外は研究計画書に記載の内容をほぼ達成できたため。

今後の研究の推進方策

細目2で、好気処理下では、55℃・5分処理、55℃・20分処理、55℃・30分処理で、GABAが増加した。また嫌気処理下では、55℃・20分処理、60℃・10分処理、70℃・20分処理で、GABAが増加した。なかでも、好気条件下での55℃・5分処理は、AAの原因物質であるアスパラギンも減少した。このことから、好気条件下の55℃・5分処理が、GABAを増加させ、AAを低減させる条件として有望と考えられた。この条件を中心に数種の条件で、細目3を進める予定である。さらに、GABAを増加しAAを減少させる条件に適する品種・系統は、オランドと推察されたので、最適条件下が導かれたときの、オランドの、GABA増加、AA減少効果を検証していく予定である。

備考

静岡県農林技術研究所試験研究成果概要集2019年に以下3点が掲載
①小杉徹,豊泉友康,池ヶ谷篤:ジャガイモの在来種及び品種別のGABA,アミノ酸,還元糖53-54(2020年3月)②小杉 徹,豊泉友康,池ヶ谷篤:低温スチーム処理がジャガイモGABAに及ぼす影響 55-56(2020年3月)③小杉徹,豊泉友康,池ヶ谷篤:低温スチーム処理がジャガイモのアミノ酸に及ぼす影響57-58(2020年3月)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 農林水産物の機能性データベースの構築とその利用2019

    • 著者名/発表者名
      小杉徹
    • 雑誌名

      バイオテック東海

      巻: 84 ページ: 57,58

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公開日: 2021-01-27  

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