EDU-Portニッポンは、文部科学省が率先して日本型教育の輸出に関わった事例として歴史的である。だが、これまで教育行政や比較教育において研究対象とされてこなかった。この研究では、EDU-Portの実施に関わった文科省行政官ならびにこのスキームの支援を受けた多様な事業体から聞き取り調査を行うことで、この歴史的な教育政策事象の内実に迫っている。今日、教育モデルの海外展開・輸出は、フィンランドやシンガポールなども積極的に行っているが、研究を通じて、それらとは異なる日本のスキームの特徴や倫理性を浮かびあがらせることが出来た。これは、今後、文部科学省の国際教育開発における役割を考える上で有意と考える。
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