本研究では、東南アジアの職業教育の労働市場での成果について①単に賃金要因のみならず、「職業教育を受けた若年層」は、②安定的な雇用にありついたのか、また、③職場の働きやすさなどの満足度につながっているのかを実証的に明らかにすることである。インドネシアの中等職業教育卒業者は、経歴年数を積むことにより賃金を上昇させることができた。さらに、経歴年数が長いほど賃金上昇率が上がることと、中等教育段階で男性の方が女性より教育収益率が高いということと、大学に進学することが経済的事情により難しい学生は、職業教育を受けて職業経歴を積むというキャリアパスがより望ましいことが分かった。
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