本研究では、中学校家庭科保育学習の一環としておこなう乳幼児と中学生の交流「ふれ合い体験」について扱う。ふれ合い体験は中学生が交流をする相手や活動場所によっていくつかのパターンが存在するが、本研究では「3歳以上児(3~5歳児)」と「3歳未満児(0~2歳児)親子」といった、中学生がふれ合い体験をおこなう相手の違いによる学習効果の差異を明らかにすることを目的とする。 令和3年度は、以下について実施した。 (1) これまでに収集したデータに加え、新たに子育て支援施設のスタッフおよび利用者へのインタビュー調査を実施し、0歳児親子を中心とした場合のふれ合い体験について、環境設定のしかたや留意事項をまとめたリーフレットを作成し家庭科教員へ配布するとともに、PDF版を日本家庭科教育学会ホームページにおいて公開した。 (2) 過去に「3歳以上児」と「3歳未満児親子」の両方のふれ合い体験を授業で扱った経験のある中学校家庭科教諭を対象としたインタビュー・質問紙調査の結果をまとめ、日本家庭科教育学会第64回大会において研究発表を行った。 (3) A市内の保育所・幼稚園・認定こども園を対象とした食育活動に関する調査結果を論文としてまとめた。本論文は、ふれ合い体験時において食育活動の内容を検討する上での有効な資料となった。 (4) 本研究の成果をもとに、既刊のふれ合い体験事例集の内容を一部改訂した。事例集はさいたま市教育研究会一斉研修大会の資料として使用され、市内の全中学校家庭科教諭へ冊子が配布された。
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