肢体不自由児者は、視力の問題がなくても視線活動を苦手とするものが多く、そのことが一因となりスポーツや学習・生活場面でさまざまな困難を有している。特に肢体不自由児は体育授業において球技などが苦手な者が多い。本研究では、移動する視標の位置認知・位置予測という認知プロセスの知見とその際の眼球運動の評価を合わせて解析することにより、肢体不自由児者の視覚情報処理のしくみを検討した。 肢体不自由児者の視線活動の特徴と認知プロセスが把握できれば、学齢期の体育学習や生活環境の改善につなげることができるだけでなく、トレーニング方法の開発などにより、教育、医療、福祉分野への応用が期待される。
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