研究課題/領域番号 |
19K23298
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研究機関 | 名古屋経済大学 |
研究代表者 |
松林 康博 名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (70848580)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | キャリア教育 / 地域協働 / 探究型の学習 / 高等学校 |
研究実績の概要 |
本研究はキャリア教育において、協力者に着目し、協力者との関係性から教育効果を研究する点で知見の少ない研究である。本研究で扱う高等学校普通科は大学との協働と比較すると、採用や商品開発等の直接的な企業メリットが発生しておらず、企業側が社会貢献以外でどのように高等学校に協力することの意義を感じているかについて、複数の知見を獲得することができた。 大きく分けると、1つ目は自社単独では解決できない当該地域の企業に共通する経営課題を解決するための取組みは企業の参画を呼び水となっていたこと、2つ目は企業は協働を通じて、今まで存在しなかった顧客接点、新たな事業展開に必要なネットワークの構築等につなげていた事、3つ目は社会貢献事業に社員を関与させることで教育機会としていたこと等、企業が協働を継続していく意義をどのように確立しているか、その構造が明らかになった。 さらに、結果高等学校と企業を結ぶ中間支援組織に対する企業からのヒアリング調査から、協働の中で発生するグッドプラクティスをどのように水平展開していくかによって、事務局の体制強化、更なる協力者の獲得、事業収益基盤の獲得につながる組織運営の可能性が明らかになった。 本研究の進捗を基に、2020年度は学会発表と論文投稿を行った。2021年5月時点で投稿した論文は、査読付論文として掲載が決定しており、一つの研究成果とすることができた。 今後は企業の定量的なデータ、教育効果の定量的データと組み合わせることで、事業の協働性(「協働意識を醸成する性質や能力」と定義する)が教育効果に与える影響を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高等学校や協働しているNPO法人の了解を得て、教育効果に関する定量的データの収集は終わらせることができた。 一方で、高等学校に協力をしている企業からの定量的データの収集がコロナ禍の影響もあり、企業の協力が得られにくい状況となり遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
高等学校のデータの収集は進んでいるため、先行して分析を進めつつ、データ収集の依頼を行っているNPO法人と協議を行い、企業側の情報提供をしてもらう方法を改善し、当初の研究計画の達成を見込む。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響を受け、研究の打ち合わせ、進捗、視察ともに計画どおりに行うことができなかったため。
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