本研究では義務教育期における芸術経験の教育的な効果に注目し、近年導入されているダンスなどのパフォーミングアーツの経験と非認知能力との関係を定量的に明らかにした。芸術が非認知能力に影響を及ぼすという仮説検証のために1年目に、パフォーミングアーツの経験と非認知能力を捉える質問を含めた調査票を作成し、独自の調査によってデータを構築した(n=543)。2年目にはそのデータを用いて経験の効果を把握できる傾向スコアマッチング分析を行った。その結果、パフォーミングアーツの経験によるグリットへの効果は値としては非常に小さかったものの、正に有意な結果を得た。この分析結果は国際学会にて報告し、議論を深めた。
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