研究課題/領域番号 |
19K23317
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大久保 泰枝 (大沼泰枝) 香川大学, 学生支援センター, 講師 (90782136)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 障害のある学生 / 防災対策 / 高等教育 / 合理的配慮 / 障害学生支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、障害のある学生を対象とした防災対策の充実を図ることを目的に、障害のある学生への防災対策を講じるための全学的なネットワーク形成に焦点をあてた研究である。大学では、障害のある学生の支援担当部署や支援窓口が設置されつつあるが、全学的な防災対策の中に障害のある学生への防災対策が組み込まれている大学は非常に少ない。そこで本研究では、(1)障害のある学生を対象とした防災対策に関する全国的な実態調査を行い、(2)障害のある学生への防災対策事例の収集を行う。次に、調査結果に基づき、(3)障害のある学生を対象とした全学的な防災対策を構築するための手引きを作成し、手引きに基づいた実践を行い、効果検証を行う。 令和元年度は、先行研究にあたる大沼・村中(2017)が国公立大学を対象に実施した調査データを再分析した。その結果、全学的な防災対策において、障害のある学生への対応の取り組みが行われている大学は非常に少ない状況にあることが明らかとなった。さらに、障害学生支援部署・機関における防災対策についても、障害のある学生への防災対策の取り組みが行われている事例は非常に少ないことが明らかとなった。このことから、私立大学にも調査の対象を拡大し障害のある学生への防止対策事例を広く収集する必要性が再度確認できた。また、大沼・村中(2017)は、障害者差別解消が施行されて間もない時期に調査を実施したため、再度、国公立大学にも調査を実施することで、障害のある学生への防災対策の実施状況の変化が明らかになると考えられる。そこで、以上の点を踏まえながら、今後実施する国公私立大学を対象とした調査項目の選定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画では、令和元年度中に全国の国公私立大学を対象に実態調査を行う予定であった。しかしながら、本研究では、2017年に実施した国公立大学を対象とした調査(大沼・村中、2017)よりも調査対象が大幅に増加することから、調査を効果的に実施するために、先の調査データを再分析し、調査項目を再選定することを優先し、調査は令和2年度に実施することにした。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、令和元年度に選定作業を行った調査項目に沿って調査を実施する予定であるが、新型コロナウィルス感染拡大の影響から、当初予定していた郵送による調査では調査の実施が困難なことも予想されるため、インターネットを利用した調査の併用を検討している。調査実施後は、その結果をもとに、障害種別ごとに障害のある学生を対象とした防災対策の事例集を作成する。さらに、障害のある学生を対象とした防災対策を講じるための全学的なネットワーク形成に焦点をあてたマニュアルの作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画では、令和元年度中に全国の国公私立大学を対象に調査を実施する予定であったが、調査項目の選定をするために、2017年に実施した調査データの再分析を行うことに時間をあてた。よって、調査については次年度に実施することとなり、調査費用として確保していた金額を翌年度に繰り越すことになった。
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