研究課題/領域番号 |
19K23321
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研究機関 | 東京都立産業技術大学院大学 |
研究代表者 |
三好 きよみ 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (00845266)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 学び直し / リカレント教育 / 動機づけ / 成人学習 |
研究実績の概要 |
日本において、学び直しの促進に向けて、阻害要因、年収への影響等の調査研究が行われ、それらへの対応がなされているが、学び直しを行っている人の割合は他国と比べてまだまだ少ない。学び直しの促進には、学び直しへの動機づけや心理・行動面への影響を明らかにすることが必要であると考える。そこで、本研究では、社会人の学び直しにおいて、学び直しに至るまでの背景と動機づけ、及び学び直しを行う過程における心理・行動の変容についてモデルを構築し、検証することで、学び直しを促進するための知見を得ることを目的とする。 令和2年度は、学び直し経験者に対して行った半構造化面接の逐語録から、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)による分析を継続し、精緻化していった。分析を終え、中高年社会人を対象としたモデル と シニア層を対象としたモデル の2つの仮説モデルを完成させた。うち中高年社会人を対象とした分析結果は、論文投稿し採択されている。シニア層を対象とした分析結果は、現在投稿中である。 これらの分析からは、学び直しに至るプロセスとして、仕事環境・生活環境の変化が、キャリアデザインや学びに対する認知に影響を及ぼし、身近な環境からの促進(後押し)を得て、学び直しに対する欲求が発生していることが判明した。また、成人の学習行動は、自らの目標のもと、主体的に行うものであり、満足感や達成感、充実感を体得し、次の学びへの動機づけになっていた。今後は、これらの結果をもとに、広く質問紙による調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度終盤から令和2年度前半にかけて、所属変更等により作業が中断していたが、令和2年度後半からは令和元年度予定であった、半構造化面接の逐語録の分析を再開し、精緻化していった結果、仮説モデルを完成させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)による分析を結果と、関連研究を基に尺度を作成する。次に、学び直し経験者を対象に質問紙による調査を実施し、統計的に分析して、仮説モデルを検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査については、リサーチ会社に依頼しwebパネル調査を実施予定であったが、当該年度は実施しなかった。次年度に実施予定である。
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