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2022 年度 実績報告書

ケニア農村部における中等教育から高等教育への移行に関する追跡調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23340
研究機関大阪大学

研究代表者

小川 未空  大阪大学, 大学院人間科学研究科, 助教 (40848610)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2023-03-31
キーワードケニア / 追跡調査 / 中等教育 / 高等教育 / COVID-19 / 教育格差 / アフリカ
研究実績の概要

アフリカ諸国では、初等・中等教育が急速に普及したことで、良質な高等教育への公正なアクセスを保障するための課題に直面している。本研究では、ケニア西部の中等学校を修了した卒業生が、どのように高等教育へアクセスしているかの追跡調査を実施した。対象とした中等学校は、近年の急速な教育普及により整備された学校であり、経済的・学力において相対的に困難な状況にある生徒が集中している。
調査の結果、脆弱な環境にある学生は、大学進学において政府の奨学金に依存せざるをえず、それを受給するために質の低い高等教育機関へ進学せざるを得ないこともあった。一方、経済的制約の少ない学生は、成績が奨学生に及ばずとも、私費で人気大学へ入学することができる。高等教育へのアクセスを求める学生にとって、不公正としか言えない状況が生み出されていた。
現地調査は初年度の2019年に実施し、追加調査は、COVID-19の影響などにより現地への渡航を断念したものの、SNSを通じて調査協力者と連絡を取ることで補足的に実施した。これによりコロナ禍の大学生の状況を把握するとともに、2019年調査以降の変化についてフォローアップすることができた。
また、COVID-19の影響によって当初の研究計画を柔軟に変更している。たとえば、COVID-19禍においてケニアの教育現場がいかに機能しているかについて情報収集を行い、論文を執筆した。ケニアを対象とするだけでなく、近隣諸国のマラウイやウガンダとの比較分析を行なった英語論文(共著)も発表した。そのほか、教育政策文書および国家ビジョンの文書分析を通じて、ケニアの教育制度の方向性についても概観し、英語論文(共著)として発表した。これらの研究成果は、日本語によって書籍としても出版する準備を進めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Emerging inequality in Kenyan secondary schools: Dilemmas of educational expansion and quality improvement2022

    • 著者名/発表者名
      Ogawa Miku
    • 雑誌名

      PROSPECTS

      巻: 52 ページ: 453~468

    • DOI

      10.1007/s11125-022-09627-4

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ケニアの中等教育における低学費私立校の公共性―教育格差に果たす役割―2022

    • 著者名/発表者名
      小川未空
    • 雑誌名

      未来共創

      巻: 9 ページ: 147-175

    • オープンアクセス
  • [学会発表] The role of low-cost private secondary schools in rural Kenya under the ‘Free Secondary Education Policy2022

    • 著者名/発表者名
      Ogawa, M
    • 学会等名
      Comparative and International Education Society 2022
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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