研究課題/領域番号 |
19K23341
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
須藤 朋美 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (60847797)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 子ども / 生態系サービス / 環境学習 / 自然体験 / グリーンインフラ |
研究実績の概要 |
子どもにとって自然の中での遊びや学びは、心身の発達の上で重要な役割を持っている。一方で、自然環境が減少した都市部では直接的自然体験を通した学習を行うのは難しい状況にある。本研究では、子どもの自然体験を通した環境学習の機会をどのように創出するのか、という課題に対して、都市のグリーンインフラ(以下、GI)に着目して研究を行う。GIとは、自然環境が有する多様な機能に着目した環境計画や自然環境の活用手法を指す。子どもが直接的自然体験から得る技能・知識・経験は、GIが提供し得る重要な生態系サービスであり、GIの活用によって、都市部であっても直接的自然体験を通した多様な遊びや学びの機会の創出が期待できる。本研究では、福岡県北九州市戸畑区を対象地として、対象地内の小学校・保育所との協働による子どもを対象とした調査、及びGIの環境調査から、都市のGIの教育的機能発揮のための手法について研究する。福岡県北九州市戸畑区を対象地として、対象地の自然環境と子どもの利用実態の把握と、グリーンインフラを活用した環境学習の実践と評価を通して、グリーンインフラを活用する環境学習プログラム・仕組みを提案する。 自然環境と子どもの利用実態の把握では、環境調査と小学生を対象としたアンケート結果を、GIS(地理情報システム)を用いて分析し、対象地のグリーンインフラの子どもの活用状況を明らかにする。グリーンインフラを活用した環境学習の実践と評価では、北九州市夜宮公園巡り坂池と九州工業大学戸畑キャンパスを活用した環境学習の実践と評価を行い、都市のグリーンインフラが提供し得る子どもの自然体験・学習の機能、教育者が期待する機能を明らかにする。これらの調査・評価を通して、グリーンインフラを教育資源として活用するためのプログラム・仕組みを提案する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象地の自然環境と子どもの利用実態の把握では、環境調査と小学生を対象としたアンケート結果から、GIS(地理情報システム)を用いて、子どもが利用している自然環境を地図化した。現在、指摘箇所について、面積・環境構成要素・自然環境について調査を行っている途中である。グリーンインフラを活用した環境学習の実践と評価では、保育所との共同で実施した、大学キャンパスでの幼児教育の実施について、子どもの活動の参与観察データと保育者へのヒアリング結果と、GTAを用いて分析した。
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今後の研究の推進方策 |
対象地の自然環境と子どもの利用実態の把握では、小学生を対象としたアンケートにおいて、子どもがよく自然体験をしていると解答した場所について、面積・環境構成要素・自然環境について調査し、どのようなグリーンインフラを、子どもがどのような目的で利用しているかを明らかにする。また、グリーンインフラを活用した環境学習の実践と評価では、保育所との共同で実施による大学キャンパスでの幼児教育と保育者へのヒアリングを継続して実施し、データ収集と解析を行う。これらの調査・評価結果をもとに、教育実践者とのディスカッションを行い、都市の身近な自然環境を活用した環境学習プログラムを提案する。
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