本研究は、戦後の新制大学において米国の教育をモデルとして新しく導入されたと考えられてきた一般教育が、戦前の旧制高等学校や大学予科における高等普通教育と共通する点があったと仮定し、その検証を試みることを目的とした。新制大学における一般教育は、旧制の高等学校や大学予科などの戦前の高等普通教育機関が主に担当していた。高等普通教育も一般教育も、専門教育に従属する教育ではなく、それ自体が完成した社会に出る人物を養成するための教育として設定された。しかし、実際には両者とも理念と実態とが乖離し廃止された。一般教育と高等普通教育との制度化前後に焦点を当て、史実をもとにそれらの課題について検討した。
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