研究課題/領域番号 |
19K23351
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
利川 寛実 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10851363)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 低出生体重児 / 注意欠如多動性障害 / 注意機能 / Low birth weight (LBW) / ADHD |
研究実績の概要 |
2019年度は、交付申請書に記載した目的を達成するために、以下の行程を行なった。 2019年~2020年度において、複数の病院で出生したLBW児と通院している一般のADHD児に対して認知機能検査を施行し、その違いから「LBW児の注意障害」の特徴を分析した。大阪医科大学および各協力施設の倫理委員会の承認後、検討を開始。【対象】LBW児は大阪医科大学附属病院、大阪府済生会吹田病院、高槻病院、京都第一赤十字病院で出生体重1500g未満の小学校1~3年生。出生数は4施設合わせて約70名/年。研究の参加率は約50%の見込みである。研究に協力が得られる児童は1学年約35名/年であると推定する。対照となる一般のADHDも上記4施設の症例で同数程度の児童を対象とした。検査スタッフの人員などの関係で、2施設ずつ2019年と2020年に分けた。【対象の選考方法】診療録をもとに対象の児を検索し、文書にて研究参加の依頼をする。研究協力申込みがあった保護者に対しては研究内容を、面談の上説明し、同意書に署名・捺印の上同意を得る。四肢麻痺や重度な知的障害のために、口頭での解答や記述課題を解答できない児は除外する。【方法】対象児に各病院で知能検査(WISC-IV)を行う。大阪医科大学LDセンターでは注意機能の評価はスパン(digit span, tapping span)、選択性注意(視覚性抹消課題)、注意の分配・転換および注意の制御(stroop test)、注意の持続(continuous performance test)課題を行い、両群で比較検討を行っている。また、小児に対しての注意機能検査は限られているため、新たな注意機能に関する検査を開発することも予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、対象を集めにくい状況となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度には、LBW児の注意機能チェックリストの作成のためのデータの蓄積を行う予定である。認知機能検査で得られた『LBW児の注意機能の特徴』から先行研究を参考に予想される行動パターンと、両親の問診票への記載や両親や教員のヒアリングで得た特徴的な行動をチェック項目としてピックアップし、チェック項目を作成する。さらにLBW児と一般のADHDとで分散分析で有意差のある項目を抽出し、『LBW児の注意機能のチェックリスト』を作成する。これらは今後症例数を増やし、因子分析を行うためのデータの蓄積となると考えており、2021年度以降、教育現場で実際に利用できるチェックリストの作成へとつなげていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、新型コロナウイルスの流行により、対象が集めにくい状況となっているため、次年度使用額が生じた。 また次年度は、LBW児の注意機能チェックリストの作成のためのデータの蓄積を予定している。認知機能検査で得られた『LBW児の注意機能の特徴』から先行研究を参考に予想される行動パターンと、両親の問診票への記載や両親や教員のヒアリングで得た特徴的な行動をチェック項目としてピックアップし、チェック項目を作成する。さらにLBW児と一般のADHDとで分散分析で有意差のある項目を抽出し、『LBW児の注意機能のチェックリスト』を作成する予定である。このときの分析に必要な人件費、ソフトウェアなどに使用予定である。また今後症例数を増やす事も考慮しているが、その際に必要となる検査資材の購入や人件費にも充てる予定である。
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