本研究の学術的意義は、次の2点である。第1に「共生」の教育における〈関係形成〉〈理解・認識〉の内容と連関は、「個々の違い」を承認しつつ、「つながり」のなかで共に生きるインクルーシブ教育の新しいあり方を見出したことである。第2に、「共同教育」は、分離された場を前提としつつも、障害児と非障害児の〈関係形成〉〈理解・認識〉を深め、両者の「エンパワーメント」を促したという歴史的評価を見出せたことである。社会的意義については、〈関係形成〉〈理解・認識〉を基本枠組みにすることで、居住地校交流を含めた「交流及び共同学習」を「共生」の教育プログラムとして、位置づけて実践できる可能性を示唆したことである。
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