研究課題
研究活動スタート支援
本研究においては、ギャンブル障害に対する心理的支援の精緻化を目指す一環として、問題行動の維持メカニズムの異なる状態像を規定する個人差要因を検討し、認知行動療法プログラムの体系化を試みた。得られた結果から、ギャンブル障害に相当する者において、睡眠の問題が体験の回避を促し、結果として負の強化の随伴性によるギャンブル行動が維持されることが示唆された。加えて、認知的フュージョンが強いほど適応行動が遂行されにくいことが示唆された。
臨床心理学
ギャンブル障害には問題行動の維持メカニズムの異なる状態像が混在することが示されているものの、それぞれの状態像の特徴に応じた支援方法は十分に体系化されているとは言いがたい現状にあった。本研究の結果から、状態像の差異を特徴づける具体的な個人差要因が得られたことに加え、これらの要因は従来のリラプス・プリベンションに基づく認知行動療法プログラムでは改善されにくい可能性が示唆された。以上のことから、ギャンブル障害に対する支援方法の体系化に際して有用な知見が得られたといえる。