認知リハビリテーションは高次脳機能障害や統合失調症を対象とした介入として発展してきた背景がある。ここ数年でリワークプログラムに取り入れる事例が急速に増えてきたが、具体的な実践方法や効果に関する先行研究は十分とはいえない。そのため、効果の検討はもちろん、うつ病休職者の状態やニーズに合った実践方法を模索することもまた重要であった。実際に、本研究を実施するなかで、参加者の動機づけ維持や、うつ症状の特徴をふまえた作業内容の工夫の必要性など、多くの示唆が得られた。本研究で得られた知見は, うつ病患者の認知機能障害の理解と、うつ病休職者を対象とした認知リハビリテーションの発展の一助となるだろう。
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