信頼は社会を構成する上で重要な役割を果たしてきており、その心理メカニズムを明らかにすることは、人々が住みやすい社会を構築することに繋がる。本研究課題で明らかにした、間接互恵性の信念が高い人ほど他者を信頼するという結果は、人々は直接関わる人だけではなく普段関わりのない人たちも自分の行いを見ているから、普段から他者に親切にすることは大切であると思っていることを示唆している。このような信念を多くの人々が保持しているからこそ、人は他者と関わり合いの中で親切にすることができる。そして、それを多くの人が持つことで社会が形成されるので、信頼を研究することは社会的にも非常に重要である。
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