研究課題/領域番号 |
19K23388
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
楊 嘉楽 中央大学, 研究開発機構, 機構助教 (80844703)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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キーワード | 乳児 / 色相選択性 / 定常状態視覚誘発電位 |
研究実績の概要 |
視覚野では、反対色(赤緑/青黄)のほかに、中間色に選択的に反応するニューロンの存在が、神経生理学とヒトのfMRI研究によって多数報告されている。一方で、視覚野の色相選択性が生後いつ頃に発達するかは検討されていない。本研究では、乳児を対象に、定常状態視覚誘発電位(SSVEP)を用い、視覚野における色相選択性の発達を解明することを目的とする。昨年度に、実験刺激を作成し、実験課題を開発した。錐体コントラスト空間で定義する色相環を12等分し、対応する12色をテストした。5Hzでフリッカするチェッカーボードパターンを刺激として呈示し、1秒毎にテスト色を切り替え、異なる色相を観察している時のSSVEPを測定した。昨年度では、5-6ヶ月児を対象に、SSVEPを用い、異なる色相を観察時の視覚野の活動を計測した。12色相を観察している時のSSVEP振幅を比較した。その結果、一部の被験者において、中間色に誘発されるSSVEPの振幅は、4つの錐体コントラストで定義する反対色(赤・緑・青・黄)よりも強かった。この結果から、発達初期の乳児においても中間色に対する選択性が存在すると考えられる。さらに、成人のSSVEP反応特徴と異なり、乳児のSSVEP振幅は赤・緑軸の方向に伸びている。これは、青・黄チャンネルよりも、赤/緑チャンネルのほうが先に発達することを反映している可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、予定した研究計画の実験1を実施した。おおむねに予想した結果を得られたため、研究計画を順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
実験1の結果では、成人と同様、発達初期の乳児においても中間色に対する選択性の存在と、個人差の存在が認められた。しかし、乳児のSSVEP活動プロファイルは、成人と異なり、赤・緑軸に伸びていることがみられた。今後の研究の推進方策として、視覚野の色相選択性の発達過程を探り、同一被験者の縦断データを収集する予定である。縦断的実験データにより、乳児期からの視覚野色相選択性の発達を解明することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で、2020年2月以降の実験が中止となったため、計画した謝礼金が余ることになった。翌年度実験再開の際に、繰り越した助成金を被験者の謝礼金として使用する予定である。
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