本研究は、新型コロナ感染症対策のため対象者数が少なくなり、予備的研究に留まったが、国内外で初めての注意欠如・多動症(ADHD)症状をもつ大学生における抑うつ状態に対する対人関係カウセリング(IPC)の有効性を検討した研究であった。本研究の結果より、IPCは傾聴を行うカウンセリングよりもADHD症状を持つ大学生の抑うつ状態を改善させる可能性が示された。よって、本研究は、学生相談などにおいて、ADHD症状を持つ大学生に対してIPCを行うことが有用であることの可能性を提示したと考える。今後、参加者数を増やした研究を進めていく必要性がある。
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