統合失調症における認知機能の低下は難治療性であり,当事者の社会参加を阻む大きな障害となっている。認知機能に関与する神経系は複数あり,このうち広範な脳領域に投射する青斑核Na系はアラートネスとよばれる機能を担う。前帯状皮質はアラートネスの切り替えに関わるが,統合失調症では同領域に解剖学的・機能的異常が認められる。本研究では,青斑核ニューロンの発火頻度を反映する瞳孔径の時間的な複雑性と左右瞳孔の非対称性の解析により,覚醒や注意機能を担うLCと交感・副交感神経の活動を推定する手法を確立した。なお解析方法については,共同で特許出願を行なった(特願2020-168949)。
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