液体ー液体相転移は液体状態におけるミクロな対称性の破れを議論する上で重要な物理現象であるが、これまで圧力・温度を制御パラメタとした研究しか行われてこなかった。本研究では「磁場」を新たなパラメタとして採用し、液体酸素における磁場誘起の液体ー液体相転移の観測を目標とした。一巻きコイル法を用いて、150テスラまでの超強磁場領域で光学測定、超音波測定、体積膨張測定行った。これらの実験結果から液体ー液体相転移の前駆現象と思われる弾性異常を観測することに成功したが、実際に観測するにはより強磁場が必要であることが明らかになった。今後の研究で更なる強磁場領域を探索する必要がある。
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