研究課題
本年度は、高周波揺動 (~MHz) ETG (Electron Temperature Gradient) モードと低周波領域 (~kHz) の帯状流を直接同時計測する手法の構築を目指した。具体的に、高周波用静電プローブや計測回路の制作を主に行い、それを用いて九州大学の直線へリコンプラズマ乱流装置PANTA (Plasma Assembly for Nonlinear Turbulence Analysis) で電子温度勾配 (ETG) が形成する実験条件下でETGモードと低周波揺動の測定を行った. さらに、新しい高周波用静電プローブで従来のPANTAの静電プローブより高い周波数 (< 2 MHz) まで揺動計測が可能になった。また、レーザートムソン散乱計測よりPANTAにおける電子温度勾配は、相対的に高い値を示す実験条件(磁場;1500 G,中性ガス;1mTorr) で電子温度勾配のパラメータeta (密度勾配長Lne / 電子温度勾配長LTe) は約1.3であることが確認できた。しかしながら、ETGモードによる高周波揺動は高周波用静電プローブで観測出来なかった。一方、東北大学の直線プラズマ装置QT-Upgrade Machineでは、eta ~ 3.3の実験条件下で顕著なETGモードが観測されたので、PANTAにおける電子温度勾配はまだETGモードを励起させる閾値を超えてないと考えられる。次年度では、PANTAにおける電子温度勾配のパラメータetaが >1.3になる実験条件を得る工夫が必要である。
2: おおむね順調に進展している
高周波ETGモードを直接測定するため、高周波用静電プローブの制作を行った。 その結果、従来のPANTAの静電プローブより高い周波数 (< 2 MHz) まで揺動計測は可能になったので、計画の通りに順調に進展していると考えられる。
来年度の研究では、PANTAプラズマにおける電子温度勾配をより高く形成する方法(eta>1.3) を探して、高周波用静電プローブを用いてETGモードの直接測定を主に行う。 また,局所的な揺動計測の静電プローブと2次元乱流計測のトモグラフィーシステムを同時計測することでETGモードの非線形過程に起因するZonal Flowを実験的に検証することを目指す.
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)
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