極低温の氷表面から脱離した水素原子を含む分子種のオルソパラ比(O/P比)を測定し,その値が氷表面温度を反映するプローブとなりうるかを調べた.もし得られたO/P比が統計重率(3/1)と異なる値であれば氷表面温度を反映していると考えられる.ところが近年のH2Oの実験では,光脱離した分子のO/P比は常に3/1であるという結果が示唆された.そこで本研究ではH2SやNH3といった水素を含む分子に対しても同様に測定し,光脱離した分子のO/P比を確かめたところ,H2Oと同様にその値は3/1であるという実験結果を得た.
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