研究課題
研究活動スタート支援
高温降着円盤におけるイオンと電子のエネルギー配分を求めるために、大スケールは電磁流体力学(MHD)を用い、小スケールはジャイロ運動論を用いて数値シミュレーションを行った。ジャイロ運動論の結果として、イオンと電子の加熱比は圧縮的揺動とAlfven的揺動の比の増加関数となることが分かった。次にMHDの結果として、降着円盤の方位角方向に背景磁場が存在するときは、圧縮的揺動とAlfven的揺動の比がおよそ2になることが分かった。
プラズマ物理
Event Horizon Telescope (EHT) によってM87ブラックホールシャドーの観測が行われたが、その結果の解釈のためにはイオンと電子のエネルギー配分を知る必要がある。本研究では、大スケールと小スケールをコンシステントに解くマルチスケール手法を用いたことで、これまでにない精度で降着円盤におけるイオンと電子のエネルギー配分を得ることができた。この結果は今後EHTの観測結果をより精度良く解釈する上で重要となる。