研究課題
研究活動スタート支援
雲より上の大気から地球近傍宇宙空間の化学組成・循環・気温を数値モデル等で再現・予測する上で、大気重力波は重要な現象である。本研究は大気重力波の励起源・伝播過程を研究した。その結果、主に3つのことを明らかにした。(1)数値モデルで再現されていた2次波を世界で初めて観測に成功した。(2)風速の季節・突発的な変動によって、大気重力波の活動度も変化する。(3)理解が遅れている雲より上空に存在する大気重力波の励起源を明らかにした。
中層・超高層大気
数値モデルを用いて地球大気の長期予報を行う上で、大気重力波は非常な現象と知られている。大気重力波をモデル内で再現するためには、波の伝播過程・励起源を知る必要がある。また、大気重力波は衛星通信が通過する地球近傍宇宙空間の環境にも影響を与えることが知られている。本研究で初めて観測された2次波は特に、近傍宇宙空間に多大な影響を与えていると数値モデルの結果より指摘されている。そのため、本研究が実際に2次波が現実大気中で励起していることを明らかにしたことは学術的に意義があることである。