二重偏波レーダーによる新たな降水粒子判別手法を開発し,その手法を発雷,ダウンバースト,竜巻事例に適用することで,前兆となる特徴量を調査した.発雷事例では,落雷に重要な下層正電荷が0℃高度より上空の液水を伴う降水粒子(LWP)と対応することが分かった.ダウンバースト事例では,発生30分前頃に上空のLWPが,20分前頃に上空の雹が増加しはじめ,上空の雹がLWPを上回った直後に突風が生じていたことが分かった.竜巻事例では,竜巻が住家倒壊地域に到達する約10分前に,その竜巻飛散物を検出可能であることを確認した.このように,開発した手法の結果から,雷・突風の前兆となる特徴量を捉え得ることを示した.
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