本研究では、過去の大洋の深海底に堆積した珪素の記録を復元するために、約3億から2.5億年前に深海で堆積した地層を形成する岩石の特徴を調査した。地層から示準化石(コノドント化石)を検出し、既存の年代と化石の種類の対応関係から地層の年代を決定した。その結果、3.1億年前から1.5億年前ごろまで、大洋の遠洋域では概ね珪素に富むチャートが堆積していたことを確認した。一方、調査した地点では3億年前から2.8億年前ごろにかけては、局所的な細粒粘土粒子の流入により特異的に粘土質な岩石が堆積したことが分かった。
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