本研究の目的は、水分解を用いた小型スラスタ用着火システムの実証であり、「テーマ①:真空環境下での水分解特性の圧力/温度依存性の解明」「テーマ②:小型スラスタ用着火器における水素酸素混合気の着火限界の解明」という二つのテーマに細分化して研究遂行予定である。固体高分子膜の選定を行い、小型水電解セルのプロトタイプを構築し、水分解試験を実施した。併せてワシントンDCで開催された70th International Astronautical Congress(IAC)に参加し、同じく水電気分解を用いた水スラスタの研究を行うドイツのシュツットガルト大学の研究者らとの打ち合わせの場を設け、真空環境下での水分解コンセプトや、水素/酸素の着火限界等に関する議論を行った。その内容を実験系にフィードバックし、水素酸素混合気の真空中着火試験を実施した。
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