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燃料噴射弁から噴射された液膜は、気流に誘起されて縦横に振動する。本振動特性は最終的な噴霧特性に強く影響を及ぼし、これを正確に予測することは重要である。本研究で着目した液膜の横振動過程では、液膜に働く加速運動に基づくレイリー・テイラーの不安定性により、界面に周期的な不安定波長(横波長)が形成すると考えられている。
そこで本研究では、レイリー・テイラーの不安定性が横振動機構にどう影響するのか明らかにし、あわせて横振動機構のモデルを用いた噴霧粒径予測モデルを用いて最終的な噴霧特性を予測できるかを調べた。
気液二相流におけるレイリー・テーラーの不安定性問題を対象に数値解析し、線形不安定性解析から得られる気液界面の摂動の成長率と数値解析から得られた界面変動の変位を比較することで数値解析結果の妥当性を検証したうえで以下の数値実験を行った。液膜界面がレイリー・テイラー不安定性によってどのように変形するのか、気液の密度比や液膜厚さ、周期的な微小摂動の波長、加速度を系統的に変化させた数値実験を行い、各因子が液膜の成長率などに及ぼす影響を明らかにした。水温を変化させた液膜微粒化可視化実験を行い、液相の粘性係数が横振動機構に影響を及ぼさないことを明らかにした。さらに、位相ドップラー法を用いて噴霧特性を計測し、計測結果と噴霧粒径予測モデルによる液滴径予測結果を比較することでモデルの妥当性を明らかにした。
本研究で得られた成果は論文として投稿しており、未公表データもまた追って論文投稿する予定である。
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