電力用真空開閉器における真空アーク放電の制御のため,本研究は,電極からの金属蒸気により構成される真空アーク減衰過程における金属蒸気挙動,アークプラズマの物性および電流遮断後の電気絶縁特性を明らかにすることを目的とした. 本研究では,真空アーク生成実験系の構築および真空アーク減衰過程の実時間2次元分光測定系の構築を行い,真空アークの自然拡散過程観測のため,IGBTを利用した高再現性・高速応答性を有する実験系を構築した.2次元分光観測結果から,電極材料であるCr,CuおよびCu+の電極間分布を明らかにし,一部のCuは電離してCu+として存在したことから,これらが残留アークの導電性に係ると考えられる.
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