本研究では,SiC MOS反転層でのキャリア散乱モデルを構築し,可動電子のHall移動度の計算を行った.散乱過程のうち,電気的に中性な欠陥の空間的な分布についてのフィッティングを行い,実験的に報告されているSiC MOSFETにおけるHall移動度の振る舞いをある程度再現することに成功した.このモデルに基づき,ドリフト移動度やデバイスとしてのドレイン電流の特性を記述する実効移動度の検討も行った. また,上記に加え,バルクSiCの電子状態・三角ポテンシャルにおける2次元電子状態の,より高精度な解析を行った.
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