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2019 年度 実施状況報告書

データを活用した非線形複雑制御モデルの低次元化

研究課題

研究課題/領域番号 19K23517
研究機関広島大学

研究代表者

河野 佑  広島大学, 工学研究科, 准教授 (40743034)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
キーワードモデル低次元化 / クラスタリング / 単調システム / DCゲイン
研究実績の概要

初年度は,生化学反応,交通ネットワーク,社会システムなどの解析にしばしば現れる単調(モノトーン)動的ネットワークに対して,データを駆使したネットワーク構造の簡略化法(モデル低次元化手法)を構築した.この成果はIEEE Transactions on Automatic Controlに掲載予定である.単調性を活用する事で,ネットワークが非線形性を有していたとしても,ネットワーク内の各ノード(状態量)の重要度がDCゲインを用いて評価できることを明らかにした.具体的には,単調動的ネットワークのDCゲインはその誘導無限大ノルムと等しいことと,DCゲインが可制御性の尺度として用いられることを明らかにした.ネットワーク構造の簡略化は,重要でないノードを打ち切る,もしくは重要度が近いノードをクラスタリングする事で達成できる.理論結果として,双方の簡略化手法が,ネットワーク構造,単調性と安定性を保存することを明らかにした.実用面として,DCゲインは定数入力を印加するだけで求まるため,ネットワークの次数が高くとも,提案法は数値的/実験的に容易に実装できる.したがって,動的ネットワークのクラスを単調なものに限定しながらも,性能保証と実用性の双方を両立する非線形モデル低次元化手法を構築できた.提案法の有効性を遺伝子発現ネットワークに対して検証した.並行して,モデル予測制御系設計のためのモデル低次元化に関する文献調査を進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り,単調動的ネットワークに対するモデル低次元化手法を構築できた.クラスタリングに基づく低次元化については,非線形性が障害となり,安定性の保存を保証することが困難であったが,適切な射影を選ぶ事でこの問題を解決できた.他方,モデル予測制御系設計のためのモデル低次元化に関しては,共同研究者を訪問することで,準備を進めることができた.

今後の研究の推進方策

今後は,モデル予測制御との融合を目指したモデル低次元化手法の構築を目指す.実用上,制御入力を計算する各ホライズン毎に,適した低次元化モデルを求めることが望ましく,まずはその構成方法を明らかにする.計算速度の更なる改善として,各ホライズン毎に低次元化モデルを計算し直すのではなく,低次元化モデルの効率的な更新則の提案に取り組む.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] University of Groningen(オランダ)

    • 国名
      オランダ
    • 外国機関名
      University of Groningen
  • [国際共同研究] University of Cambridge(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University of Cambridge
  • [雑誌論文] Data-Driven Model Reduction of Monotone Systems by Nonlinear DC Gains2020

    • 著者名/発表者名
      Yu Kawano, Bart Besselink, Jacquelien M.A. Scherpen, Ming Cao
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Automatic Control

      巻: 65 ページ: 2094/2106

    • DOI

      10.1109/TAC.2019.2939191

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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