研究課題
令和二年度は昨年度の研究成果を拡張し、サブシステムの故障時刻データから、システムにおける従属故障の発生リスクを定量的に評価する手法を開発した。研究成果は2本の雑誌論文にまとめ、3件の学会発表で報告した。具体的には(i) Farlie-Gumbel-Morgenstern(FGM)コピュラを用いた手法を開発するために、多変量FGMコピュラのパラメータの制約式を陽な式で明らかにした。これによって、FGMコピュラのパラメータを推定する際に、効率良く制約条件を求められるようになった。(ii)多変量FGMコピュラのパラメータを制約下で効率よく推定する手法を開発した。多変量FGMコピュラのパラメータ数および制約式は、変量の数に対して指数関数的に増えることが知られており、従来は多変量FGMコピュラのパラメータの推定が困難であった。本研究はこの問題を解決し、開発した手法をNASA Ames Prognostics Data Repositoryで公開されているベアリングの信頼性試験データに適用し、同一シャフト上の複数のベアリングの振動データから、ベアリングの従属故障発生リスクの評価を試みた。(iii)さらに汎用的な従属故障の発生リスクを定量的に評価する手法を開発するために、ファクターコピュラを用いたシステム信頼性評価モデルを開発した。本結果は国際会議APARM2020で報告した際に、Best Paper Awardを受賞し、国際的に研究成果が評価された。(i)および(ii)の研究成果は研究計画に沿って、それぞれオープンアクセスの論文として一般に公開した。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E104-A ページ: 823-826
10.1587/transfun.2020EAL2080
Japanese Journal of Statistics and Data Science
巻: - ページ: -
10.1007/s42081-021-00118-y