本研究は、2011年フィリピン・メトロマニラにおいて開始された10万世帯のインフォーマル居住者(スラム居住者)を対象とした参加型防災集団移転政策「People’s Plan」に関する調査研究である。事業対象者のうち実際にコーポラティブ方式に既存コミュニティ単位での移住を行った約2万世帯を対象とした詳細なインタビュー調査を通して、①計画プロセスや建築デザインに多様なコミュニティの個別性が出現していること、②さらに移動の過程では複数のコミュニティが集合して一つのコミュニティを組織していたりコミュニティ間で情報交換を行うなど、計画どうしは連動していることを明らかにした。
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