従来の住環境整備に関する建築学からの研究は高齢者が主であり、障害児の成長と発達を促す住環境整備はほとんど行われていない。したがって、障害児の成長期に配慮した住環境整備に関する情報は独自性に値する。また、障害児の福祉用具や制度等においても高齢者に比べ成長や発達への対応が可能な製品や情報が非常に少ないなど課題が多かった。障害児の排泄環境に関して、乳児期、幼児期・学齢期における適切な環境整備を促すアセスメントツールを開発したことは、今後は、障害児の住環境整備の重要性について周知され、成長・発達に応じた制度利用拡大や新たな助成事業検討材料となるこれまでにない成果であり社会的意義は高いと考える。
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