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2021 年度 実績報告書

近現代建造物に適応した文化財保存理念の展開に向けた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K23564
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所

研究代表者

金井 健  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 室長 (90359448)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2022-03-31
キーワード文化財保護行政 / 建造物保存 / 近現代建築 / 保存修理 / 保存活用計画
研究実績の概要

本研究は、近現代建造物の文化財としての保護が現代社会の普遍的な営為として受容されうる諸条件を解明することを目的に、1)近現代建造物の改修工事とその方針等に関する資料を収集・整理し、2)近現代建造物の価値を持続・向上する観点からの保存の考え方の見直しと、3)近現代建造物の維持に必要な具体的な修理方法と従来の文化財修理の方法との整合性の検証を行うものである。
令和元年度は文化財保護法下での行政制度上の施策や言説等に関する資料を収集・整理し、その成果を論文「近現代建造物の文化財保存理念の展開に関する基礎的研究(その1):文化財保護法下における文化財概念の創出と変容」にまとめた。本論を通じて、現行の行政制度では文化財の存立の根拠となる価値評価と保存の実践である文化財修理の間に業態的な分断があり、新しい類型である近現代建造物では価値評価の方向と文化財修理の方法が必ずしも整合していないことが明らかとなった。そこで令和2年度からは、文化財修理の理念的な拠り所となる考え方として文化財保護法の「現状変更」の許可行為に注目し、そこでの修理技術者の役割と対比するため、近現代建造物一般の改修方法と改修設計者の言説等に関する資料の収集・整理を行った。その成果は令和3年度に論文「近現代建造物の文化財保存理念に関する基礎的研究(その2):「新建築」誌掲載の改修事例にみられる保存の認識と改変の論理」にまとめたが不採択とされたため、研究方法を見直して再度分析を行っている。
令和2年度~令和3年度は所属機関の新型コロナウイルス感染症対策の方針により、現地調査をほぼ実施することができなかったため、本研究は収集資料の整理・分析に留まらざるを得なかった。本研究の収集資料等は後継研究の「近現代建造物の価値評価における同時代性に着目した文化財の現状変更概念の再考」(21K04474)に引き継いで研究を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A BASIC STUDY ON THE DEVELOPMENT OF PRINCIPLES FOR CONSERVATION ADOPTABLE TO MODERN ARCHITECTURAL HERITAGE (PART 1): CREATION AND TRANSFORMATION OF THE CONCEPT OF “CULTURAL PROPERTIES” UNDER THE CULTURAL PROPERTIES PROTECTION LAW2021

    • 著者名/発表者名
      KANAI Ken
    • 雑誌名

      Journal of Architecture and Planning (Transactions of AIJ)

      巻: 86 ページ: 1804~1814

    • DOI

      10.3130/aija.86.1804

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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