持続可能な社会の構築に向けて再生可能エネルギーの導入が進む中、中核技術たり得る次世代型水電解による水素製造装置の開発が急務である。本研究課題で検討した中性pH駆動水電解は、過酷なpH条件で操業される従来型に比較して、コスト・安全上の懸念を払拭し得、分散型利用が可能であり、さらに他の要素技術との親和性が高いと特徴づけられる。一方でその電解効率は既存型より劣り、その性能向上が望まれていた。本研究では、電解質として用いる中性pH水溶液の物性、ならびに電極反応の詳細な解析を実施し、中性pH駆動水電解の大幅な性能向上を達成した。本成果は、再生可能エネルギー由来のクリーンH2導入を促進すると期待される。
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