燃料電池の電解質に応用可能なプロトン伝導性酸化物の物性を、原子スケールから理解するためには、コンピュータを使った理論的研究手法が欠かせない。この手法を実施する上で、「原子配置に依存したプロトン伝導体の静電ポテンシャルの和が、理論計算で最小であれば、その原子配置は実験的にも再現されるべきである」との認識は研究者コミュニティーの間で半ば常識となっていた。しかしながら、申請者は密度汎関数理論(DFT)とクラスターエクスパンション・モンテカルロ(CEMC)法を用いることで、上記の常識は必ずしも当てはまらないことを示唆することが出来た。
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