タンパク質結晶の応用へ向けた力学的性質に関する基礎的な研究を行った。具体的には、大きく分けて①巨視的な変形試験によるタンパク質結晶の力学的性質の評価と②放射光Ⅹ線トポグラフィによるタンパク質結晶の欠陥観察法の構築および回折理論に基づいた緻密な完全性評価を行った。①では、最大5ミリメートルにも及ぶ巨大な結晶の変形試験により、ヤング率や破壊応力などの見積もりに成功した。②では、X線CCDカメラを使用したデジタルトポグラフ法によって撮影した数百枚の一連の回折像を画像解析により、欠陥像の取得が難しい結晶であっても転位などの結晶欠陥の観察を可能とする方法(Median Image法)の構築に成功した。
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