研究課題
研究活動スタート支援
Cu2+イオンをエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム銅(II)([Cu(EDTA)]Na2)としてキレート化することにより腐食抑制剤として用いる方法を検討した。塩化ナトリウム(NaCl)溶液に[Cu(EDTA)]Na2および塩化銅(CuCl2)を添加した溶液中で腐食試験を行うことで、鋼種や溶液によって異なる効果が生じることを見出した。溶液のpHによってキレート化するCu2+イオンの割合が変化することや、鋼中の介在物が影響していると考えられる。
腐食防食
本研究では陽イオンである金属イオンをキレート化し、塩化物溶液中に添加することで、ステンレス鋼の局部腐食発生を抑制できることを見出した。このことにより、金属イオンを用いた新規腐食抑制剤の開発指針を得ることができた。金属元素を合金元素として鋼中に添加するのではなく、溶液中でキレート化するという観点の創出は腐食抑制剤の開発において貴重な提案であるといえる。