腎臓は20種類以上の細胞からなる非常に複雑な構造を持ち、その構造と機能は密接に関連している。ゆえに再生医療などを目指した成体の腎組織の直接的な再構築は困難である。しかしその発生過程に着目すると、主に3種類の前駆細胞からなる単純な構造に始まり、それらの細胞間の相互作用を通じて複雑化していく。つまり、この3種類の前駆細胞を準備し、初期の単純な構造を再構築することが、複雑な成体の腎臓を再構築する端緒となると考えられる。本研究は、その3種類の前駆細胞のうち腎ストローマ前駆細胞に着目し、その適切な拡大培養法を開発することで再生医療などを視野に入れた腎組織の再構築に資することを目的として行った。
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