現存する医療用吸収性材料は、主にポリ乳酸やポリグリコール酸から成るが柔軟性や生体適合性という点で問題となることがある。人工神経の足場は柔軟性に乏しく関節近傍での適応がなく、吸収過程で炎症を引き起こすことが報告されている。人工靭帯は伸展性や伸展したあとの復元性に乏しく、靭帯の生態学的な機能を正しく補完していない。新たな生分解性プラスチックであるP(3HB-co-4HB)を用いた繊維性サンプルは、生体にとって安全であり、ゆっくりと分解され、高い伸縮性や柔軟性を持っている。これらは現存する生体吸収性医療材料にはない特徴であり、アンメットニーズに応えるポテンシャルを秘めており新規性がある。
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